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グルタチオンエチルエステルは加齢により低下した ウシ卵子の胚発生能を向上させる

学会誌掲載論文

日本IVF 学会雑誌 Vol. 20,No. 2,2 - 5,2017

著者 : 真方 文絵,小牧 春菜,出田 篤司

Abstract

要 旨: 本研究では,抗酸化物質であるグルタチオンエチルエステル(GSH)が老齢牛由来卵子の胚発生能に及ぼす影響について検証した.

食肉処理場にてホルスタイン種経産牛より卵巣を採取し,若齢区(50ヶ月齢未満)および老齢区(120 ヶ月齢以上)の卵丘細胞-卵母細胞複合体を試験に供した.5mM のGSH を添加した培地を用いて体外成熟培養を行い,体外受精および体外発生培養に供した.老齢区において,GSH 添加により第二減数分裂中期に達した成熟卵子の割合が増加するとともに,正常受精率が向上した.

さらに,卵割率および胚盤胞期胚への発生率はGSH 添加区で有意に高かった.一方で,若齢区ではいずれの項目においてもGSH添加による影響は認められなかった.以上の知見から,ウシ卵子において体外成熟培地へのGSH 添加は核成熟および受精を促進し,加齢による胚発生能低下を改善する可能性が示唆された.
キーワード:加齢,体外成熟培養,グルタチオンエチルエステル

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