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日本IVF 学会の過去・現在・未来

森本 義晴

2016年度 年次大会-講演抄録 | 理事長講演

学会講師 : 森本 義晴

Abstract

日本IVF学会は,ARTを取り扱う唯一の学会として,長年に渡って親しまれて参りました.私は,この度後進に道を譲り理事長職から退任させて頂くことになりました.この機会に,本学会の果たしてきた役割を振り返り,未来のこの学会に私が託す希望を申し述べてみたいと思います.今振り返りますと,本学会の歴史の長さそして影響力の大きさを顧みますと,それは本邦のARTの歴史そのものであったように思います.

さて,本学会の前身はIVF研究会です.そしてその前身はIVF懇話会でした.1993年,我が国の初の体外受精成功から10年も経たない頃に大阪では石川元春先生(現理事)と私が,一方神戸では山下正紀先生(現常務理事)と大谷徹郎(現理事)がそれぞれ,大阪IVF懇話会,兵庫IVF懇話会を作り,どうせならということで合体したのが本学会の始まりです.当時は,まだまだ,この分野には解決すべき問題が溢れていてとてもエキサイティングな状況でした.その後,会は大きくなり1998年にはIVF研究会,そして,2007年には日本IVF学会と変遷しました.

中でも想い出深い出来事は1996年に開催されたIVF懇話会第5回大会でした.当時とても勢いが良く他の学会でよく衝突されていた,我が国を代表する三人の先生,即ち,故加藤修先生,高橋克彦先生,そして田中温先生をお呼びして関西の代表的な温泉街である有馬温泉で学会を行ったのです.この時は,本当に楽しくて朝方まで議論が続き,今でも多くの会員の記憶に残っております.さらに,日本IVF学会第4回大会も想い出に残る会でした.なぜなら,あのRobert Edwards教授をお呼びしたからです.入谷明先生の大変なご尽力があり,先生はそのときから当学会の顧問をお引き受け頂きました.その後,柳
町隆造先生に顧問就任をお引き受け頂きました.

これまで,日本IVF研究会/学会としてだけでも18回を重ねましたが,入谷明先生,鈴木秋悦先生そして久保春海先生と神崎秀陽先生には顧問として大所高所からご指導頂きました.また,それぞれの年の学術集会長におかれましては,大変工夫を凝らし,極めて良質の学会を開催して頂き,どの学会も忘れることができません.ここに厚く御礼申しあげる次第です.

さて,ARTによる出生が600万人にも達し,今後この不妊治療技術は再生医療の導入などでさらに様変わりする可能性があります.そういう意味で本学会の社会における役割が今まで以上に重要になります.大きな変革に立ち向かい,社会へ患者様を利する正確な情報を発信するパワフルな学会になることを次の世代に託したいと思います.
理事長講演

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