Papers and Abstracts

論文・講演抄録

当院におけるAMH1.0未満の ARTの年齢別の妊娠率や採卵数 の検討

学術集会 一般演題(口頭発表)

2016年度 学術集会 一般演題(口頭発表)

発表者:國島 温志・安藤 寿夫・鈴木 範子・高柳 武志・植草 良輔・松尾 聖子・矢吹 淳司・藤田 啓・甲木 聡・岡田 真由美・河井 通泰

豊橋市民病院 産婦人科・総合生殖医療センター 

Abstract

【目的】

近年, 卵巣予備能マーカーとして,AMH (anti-Muellerian hormone)が注目を集めている.今回,当院で施行されたARTにおいてAMH値に注目し,採卵数や妊娠率,初回妊娠に至るまでの累積周期数などについて検討したため報告する.

【方法】

2013年4月から2016年3月に当院で採卵を行い, かつ採卵前にAMH<1.0[ng/ml]であった95人327周期を対象とし,採卵時点の年齢別に妊娠率や採卵数などの比較検討を行った.また,AMH≧1.0 の例と比較した妊娠率や採卵数においても同様に検討を行った.

【結果】

対象95人の採卵時点の年齢の中央値は39歳(28-48)であった.これらを年齢別にA 群(28- 35歳:19人50周期),B 群(36- 40歳:41人107周期),C 群(41-48歳:35人170周期)に分類した.本検討対象症例における平均AMHは,A 群0.46,B 群0.41,C 群0.30であった.期間内における平均治療周期数は,A 群2.63周期/人,B 群2.61周期/人,C 群4.86周期/人であった.平均採卵施行数は,A 群2.37回(45 /19),B 群2.37回(97/41),C 群4.46回(156 / 35)であった.初回妊娠に至るまでの累積周期数は,A群3.22周期(29 / 9),B 群4.73周期(71 / 15),C群5.45周期(60 / 11)であった.妊娠に至ったETに用いた卵の採卵時における採卵個数の平均値はA 群4.78個(43 / 9),B群3.87個(58 / 15),C 群2.36個(26 / 11)であった.また,対象期間内に採卵をおこなった全例においてAMH:1.0以上と未
満に分けて上記3群の年齢別に周期あたりの妊娠率と採卵施行数あたりの採卵個数を比較したところ,妊娠率はA 群ではAMH1.0以上26.3%(71 / 270),1.0未満18%(9 / 50),B 群では1.0以上20.5%(63 / 307),1.0未満14.0%(15/107),C 群では1.0以上3.9%(12 / 311),1.0未満6.5%(11 / 170)であった.平均採卵個数はA 群では1.0以上10.2個(1837/ 180),1.0未満3.47個(156 /45),B 群では1.0以上10.3個(1702 / 165),1.0未満2.60個(252 / 97),C 群では1.0以上8.92個(847/ 95),1.0未満2.15個(336 / 156)であった.

【結論】

AMH<1.0 の症例において,年齢に比例して治療周期数は長くなり,採卵個数は少なくなる傾向にあった.またAMHの大小によって平均採卵個数は大きな差がみられたが,妊娠率においてはあまり差を認めなかった.AMH は卵巣予備能を反映し卵の個数の指標とはなるが,必ずしも卵の質の指標にはならず,AMH 低値症例においても適切に採卵・胚移植を行うことで妊娠を期待できると思われた.

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