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子宮内膜症に対する腹腔鏡手術のエビデンスと実際

岩瀬 明

2018年度 年次大会-講演抄録 | Lunchtime Session

学会講師 : 岩瀬 明

Abstract

子宮内膜症性不妊に対する治療法は各国のガイドラインが整備され標準化されつつある。しかしながら、年齢・合併する不妊因子・疼痛症状などの患者背景により、臨床の場では個別化が必要な局面も多い。手術療法を考えた場合、チョコレート嚢胞単独の場合は、嚢胞摘出術による自然妊娠率の改善、ARTに先立つ手術がART治療成績を改善しないことが広く知られている。近年、嚢胞摘出術による卵巣予備能低下の報告が多く、チョコレート嚢胞摘出術が、必要以上に忌避されている懸念がある。手術の適応・術式の選択に、卵巣予備能を個別化の指標として加える試みはなされているが、いまだon going pregnancyや生児獲得をエンドポイントとした高いエビデンスレベルの報告は少ない。またチョコレート嚢胞や子宮内膜症そのものによる卵巣機能への影響も考慮する必要があるかもしれない。一方、深部子宮内膜症については、手術後の妊娠率について良好な結果を報告しているものも多いが、深部子宮内膜症自体の妊孕性に及ぼす影響については不明な点が多く、今後は多数例による深部子宮内膜症部位別の検討が必要と考えられる。また腸切除を伴う場合は、術後合併症も考慮する必要がある。本講演では、チョコレート嚢胞と深部子宮内膜症について、主に手術療法と妊孕性について最近の報告をレビューするとともに、実際の手術手技についても考察を行う。

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