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子宮頚部細胞診におけるデーデルライン桿菌の存在と臨床成績との関連性についての検討

年次大会 一般演題

2018年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 鈴木 めい,中山 理紗,榊原 由佳,宗 修平,宮野 奈緒美,村林 奈緒,山口 和香佐,俵 史子

Abstract

目的:膣内は細菌叢が形成されており、中でも乳酸桿菌であるデーデルライン桿菌は膣内の環境を整える役割をしていることが知られている。近年着床環境としての子宮内細菌叢に注目が集まっている一方で、腟内の細菌叢と臨床成績との関連性についての報告はまだ少ない。今回子宮頚部細胞診の際に同時に評価したデーデルライン桿菌の有無に着目し、臨床成績との関連性を後方視的に検討した。

方法:2016年8月から2017年12月の期間で子宮頚部細胞診を行った584症例を対象とした。デーデルライン桿菌の有無の評価は標本中にまったく見られないものを-群、一部分に見られるものを+群、全体に見られるものを++群として、各群における臨床成績を後方視的に検討した。

結果:584症例における内訳は-群、+群、++群それぞれ28%、25%、47%であった。+と++を陽性とした陽性率を年齢別にみると30歳未満では80%、30~34歳で73%、35~39歳で69%、40~44歳で69%、45歳以上で56%と、デーデルライン桿菌と年齢の間に負の相関がみとめられた。凍結融解胚移植888周期における妊娠率は-群で36%、+群で44%、++群で43%であった。さらに単一良好胚盤胞移植478周期における妊娠率は-群で43%、+群で51%、++群で51%とデーデルライン桿菌をみとめた群で高い妊娠率となった。35歳未満と35歳以上の2群に分け再検討を行ったところ、凍結融解胚移植における妊娠率は35歳未満では-群で36%、+群で50%、++群で57%とデーデルライン桿菌が存在するほど妊娠率は高い傾向にあり、特に-群と++群の間では有意な差をみとめた(p<0.05)。一方で35歳以上群での単一良好胚盤胞移植における妊娠率は36%、42%、34%と、群間において差は見られなかった。単一良好胚盤胞移植妊娠率においても同様の傾向がみとめられた。流産率は-群で37%、+群で41%、++群で32%であった。また2回以上の流産率は-群で21%、+群で23%、++群で17%であった。

結論:子宮頚部細胞診におけるデーデルライン桿菌の陽性率と年齢には負の相関がみとめられ、加齢により膣内のデーデルライン桿菌が減少していくことが確認された。今回35歳未満群においてデーデルライン桿菌陽性者における妊娠率は陰性者に比べて高い結果となり、加齢とは別の因子としてデーデルライン桿菌の存在が妊娠に影響を与えている可能性が考えられた。流産率はデーデルライン桿菌の有無によって有意な差は認められず、今回の結果からは流産とデーデルライン桿菌の有無との間に関連はみられなかった。今後さらにデーデルライン桿菌が与える影響について検討を重ねていきたい。

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