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3D超音波法を使用した胚移植後画像を用いた胚移植部位と妊娠転帰の検討

年次大会 一般演題

2018年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 甲木 聡,古井 憲作,山下 絵美里,國島 温志,皆元 裕子,鈴木 範子,安藤 寿夫

Abstract

目的:超音波機器の進歩により、経腟的にも3D/4D超音波法が可能となった。当院では以前より経腟エコーガイド下にて胚移植を行っており、2016年より3D超音波装置を採用したため、胚移植の全症例に胚移植前後の子宮内腔の3D超音波画像の撮影を開始した。胚移植後に分娩に至った症例が蓄積してきたため、それらを検討し報告することを目的とした。

方法:2016年10月から2018年3月の期間に胚移植を施行した症例のうち、胎嚢を確認した症例を検討の対象とした。胚移植前後に3D超音波法にて撮影した画像はのちにSurface modeを用いて子宮内膜と胚移植部位を描出し、内子宮口をA点、右卵管角をB点、左卵管角をC点と座標軸に推定し、同様に移植部位をD点とし、それらの距離を計測した。それぞれの距離関係により妊娠転帰が異なるかを検討した。機器はVoluson P8およびRIC5-9A-RSプローブ(GEヘルスケア・ジャパン)を用いた。

成績:対象症例は72症例であった。そのうち、分娩に至った例が44例(61.1%)、妊娠中13例(18.0%)、流産が14例(19.4%)、異所性妊娠(卵管妊娠)が1例(1.3%)であった。分娩に至った例のうち、早産(母体・胎児適応による人工早産を除く)は2例であった。子宮内膜の描出が困難であったものは8例あり、子宮筋腫核出術後または子宮筋腫合併例を含んでいた。異所性妊娠例は多発子宮筋腫を合併しており、全症例中最もBCD間の面積が広かった(子宮底から離れていた)。D点は多くがB・C点を結んだ線とA点までの距離の3割以下(子宮底寄り)に存在しており、前置胎盤症例はなかった。早産症例と距離との関連は認められなかった。

結論と考察:今検討において、胚移植部位を客観的かつ立体的に考察することが可能であることが明らかとなった。また、胚移植部位が卵管角と離れている例でも異所性妊娠となりうることが判明した。今検討では分娩に至った症例数が少なく、移植部位と妊娠転帰の関連性を見出すことはできなかった。しかしながら、今後の症例の蓄積により関連性を見出すことが可能となるかもしれない。また、客観的な検討が可能であることから、他施設間での比較検討が可能になると考えられた。同一患者において移植部位の差異で妊娠転帰に差を認めるかどうかといったことも検証可能である。移植部位と着床部位が同一であるかどうかは、今後の課題として現在検討中である。

 

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