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反復着床障害症例に対する子宮内膜受容能診断 日付診からEndometrial Receptivity Analysis(ERA® )へ 当院での検討

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 平井 佐和子, 隈本 正太郎, 森下 眞依子, 岩瀬 あい, 西川 由華里,邑上 沙瑶子,佐多 良章,遊木 靖人, 津野 晃寿,岩政 仁

Abstract

【目的】
反復着床障害症例では, 子宮内膜受容可能期間(IW:implantation window)のずれがある可能性が指摘されている.IWの評価として当 院では 2012年から2017年まで子宮内膜日付診を行っており,2018年よ りERA(ERA®︎ Igenomix, Valencia, Spain)を導入した.両者の臨床成績を後方視的に検討し,考察する.

【方法】
2012年2月~ 2017年3月に日付診を行った11症例と2018年9月~ 2019 年5月にERAを行った17症例の妊娠成績について検討を行った.日付 診は HRT周期で黄体ホルモン開始日を 0日目として5日目の内膜を採取 し,病理学的に排卵後(POD)何日目か診断した.POD5を受容期とし, それ以外を非受容期とした.ERAは HRT周期で黄体ホルモン投与開 始後120時間の子宮内膜を採取した.120時間での胚盤胞移植推奨群を受容期(Receptive)とし,それ以外を非受容期(Non Receptive)と した.

【結果】
日付診群の年齢は 38.2( ±3.3)歳で検査前移植回数は4.6( ±3.1)回 であった.受容期が 9.1%(1/11症例), 非受容期が 90.9%(10/11症例) で内訳が POD3:7例,POD2-3:1例,POD2:3例であった.移植日を遅らせて胚盤 胞移植を行った 10症例26周期で臨床的妊娠率は 26.9%と検査前の 6.5%と比較し有意に改善した(p=0.016).ERA 群の年齢は 37.8( ±5.2)歳で検査前移植回数は 2.9( ±0.3)回であった.受容期29.4%(5/17症例),非受容期70.6%(12/17症例)で内訳は 12h Early Receptive:4 例, 24h Pre Receptive:4 例, 48h Pre Receptive:2例,12h Late Receptive:1例,24h Post Receptive:1例 であった.至適移植時期に胚盤胞移植を行った7症例8周期で臨床的 妊娠率は 50.0%と検査前の6.1%と比較し有意に改善した(p=0.0005).

【考察】
反復着床障害対策として日付診は有意差を持って臨床妊娠率を向上 させた.しかし,当院の2013 ~ 2016年の35-42歳のART1058周期の 臨床妊娠率38.1%と比較し, 満足のいくものではなかった.ERAは 例数が少ないものの, 良好な結果が得られている.当院では非受容期 が7割と諸々の報告よりも割合が高かった.これは ERA 検査前の臨床的妊娠率が 6.12%(3/49周期)で biochemical pregnancy率が36.73% (18/49周期)であったことと併せて考えると興味深い.更なる症例の蓄積は必要だが,ERAは反復着床障害症例に有用な検査であると考え られた.

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