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胞胚腔内残存割球における臨床成績と予後の検討

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 小島 勝志,岡部 美紀,中野 俊,明石 佐奈子, 山内 久美子,塩谷 仁之,東野 志保,杉浦 朝治,渡辺 慶, 藤田 真紀,高橋 敬一

Abstract

【目的】
胚盤胞まで発育した胚の腔内に割球が残っていることがしばし見られる.割球が残る原因は明らかとなっていないが, 妊娠率・流産率に影響があるという報告もある.そこで当院において残存割球の有無による臨床成績とその予後を検討した.

【方法】
2009年1月から2018年12月までの10年間に当院で単一凍結胚移植を 行い,Gardner 分類3BB 以上であった4,882周期を対象に,凍結時に割球を認める群:割球群(285周期,平均年齢37.0±3.9歳)と認めない群:コントロール群(4,597周期, 平均年齢36.0±4.2歳)に分けて検討 した.それぞれの群で年齢別(30歳未満,30 ~ 34歳,35 ~ 39歳, 40歳以上)の妊娠率,流産率,移植あたりの継続妊娠率の比較検討を行った.統計解析は X²検定で行い,P<0.05を有意差ありとした.

【結果】
割球群 VSコントロール群の年齢別の結果は,30歳未満の妊娠率 (83.3% VS 68.7%), 流産率(0% VS 16.0%), 継続妊娠率(83.3% VS 57.7%),30 ~ 34歳の妊娠率(60.5 % VS 61.0%), 流産率(15.4 % VS 13.8%),継続妊娠率(49.3% VS 52.6%),35 ~ 39歳の妊娠率 (48.9% VS 50.0%),流産率(10.9% VS 19.8%),継続妊娠率(43.5% VS 40.1%),40歳以上の妊娠率(26.7% VS 32.5%),流産率(55.0% VS 34.0%),継続妊娠率(12.0% VS 21.5%)であった.すべての項目 で有意な差は得られなかった.

【考察】
今回の検討において,胚盤胞の残存割球による臨床成績には影響をおよぼさないことが示唆された.治療期間を短くし,早く結果を得る為 にはよりよい胚を移植時に選択する必要がある.今回の結果より移植 胚を選択する上で, 残存割球の存在は考慮すべき優先項目ではないと 考えられる.

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