Papers and Abstracts

論文・講演抄録

体外受精における精液酸化還元電位を用いた受精予測

学会誌 掲載論文

2020年度 学会誌 掲載論文Vol23-2

著者:長谷川 久隆・鈴木 亮祐・塚本 佳奈・菊本 晃代・小林 充・京谷 利彦・小林 淳一

神奈川レディースクリニック 〒 221-0822 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川 1-11-5 ARTVISTA 横浜ビル

Abstract

精液酸化ストレスマーカーとして酸化還元電位(oxidation reduction potential: ORP)の有用 性が報告されている. 本研究ではORPによるcIVFの受精予測が可能か検討した. 解析の結果,静的ORP (static ORP: sORP)は受精に影響を及ぼす因子であった(オッズ比: 0.42,95%Cl: 0.25-0.72). cIVF の受精において,ROCカーブのsORPカットオフは2.23であり,AUCは0.687であった. sORPカッ トオフ未満の症例のcIVF受精率は 79.2%でカットオフ以上の症例(40.0%)に比べ有意に高く,ICSI の受精率はカットオフ前後の症例間で有意差はなかった.よってORPによる受精予測は可能であること が示唆され,sORP2.23以上の症例では ICSIを選択することで受精率を向上させると考えられた.

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