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0PN 由来胚盤胞の臨床成績についての検討

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 渡辺 慶,岡部 美紀,中野 俊,山内 久美子,明石 佐奈子, 塩谷 仁之,東野 志保,杉浦 朝治,前島 澪,藤田 真紀, 高橋 敬一

Abstract

【目的】
0PN由来胚の臨床利用については今現在も様々な議論が続いている.培養をするにあたり前核が確認できない胚は染色体異常が疑われるため優先的に移植には用いられていない.だが 0PN由来の胚であっても 正常受精胚であるという報告も複数見られる.

当院では受精確認時に0PN 胚であった場合続けて培養を行い, 胚盤胞に至ったものを凍結保存している.その後移植胚を選択する時,凍結胚が 0PN由来胚のみ残っている場合に, 患者のインフォームドコンセントを得た上で 0PN由来胚の移植を行っている. 今回,0PN由来胚を用いた当院での臨床成績について検討した.

【方法】
2009年1月から2018年12月までの10年間に当院で単一凍結融解胚盤胞移植を行った 2PN由来胚7,065周期(平均年齢36.3歳±3.90)と0PN由来胚213周期(平均年齢37.6歳±3.88)を対象に妊娠率, 流産率, 継続妊娠率(移植あたり), 継続妊娠あたりの出産率の比較検討を行った.検討に用いた0PN由来胚はタイムラプスを使用せず, 翌日の受精確認 時に0PNであったものを用いた.

統計解析はΧ 2 検定で行い,P<0.05を有意差ありとした.

【結果】
妊娠率,流産率,継続妊娠率は,2PN由来胚で45.0%(3179/7065)、20.0%(636/3179)、 36.0%(2543/7065),0PN由来胚で43.7%(93/213)、26.9%(25/93)、 31.9%(68/213)であった. 出 産 率 は 2PN 由来 胚 で55.9%(1422/2543),0PN由来胚で 63.2%(43/68)であった.妊娠率, 流産率, 継続妊娠率, 出産率の全ての項目で 2PN由来胚と0PN由来 胚の間に有意差は認められなかった.出産結果を確認できた0PN由 来胚43例中「声帯麻痺」が1例あった.染色体異常児,奇形児は認めな かった.

【考察】
以上の結果より,0PN由来胚であっても胚盤胞まで到達した胚であ れば受精確認時にPNの存在を確認出来なかっただけで正常な受精を していると考えられる.また,妊娠率,流産率,出産率は 2PN由来胚 と同等の結果となった.当院で確認出来た出産に至った例でも0PN由 来胚で染色体異常児, 奇形児は認められなかった.このことから胚盤 胞に至った0PN由来胚は正常受精胚であるとして, 凍結胚移植する際の胚の選択枝の一つとなり得ると考えられる.

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