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40歳以上患者におけるPiezo−ICSIの有用性について

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 岸 加奈子,古橋 孝祐,片田 雄也,角本 知世,角 知英, 岩﨑 利郎,松本 由紀子,苔口 昭次,塩谷 雅英

Abstract

【目的】
生殖補助医療において, 卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection; ICSI)は必須の技術である.ICSIの際には精子を卵細胞質内へ注入する為に, インジェクションニードルで透明帯を押し破った上で, 卵細胞質膜の破膜が必須である.この卵細胞質膜を破膜するためには, ニードル内へ 卵細胞質を吸引して破膜する方 法 (conventional-ICSI: 以下c-ICSI), 又は Piezo パルスを使用して破膜する方法(Piezo-ICSI)がある.近年ヒト卵子において Piezo-ICSI の有用性が報告され,我々も過去に高齢患者におけるPiezo-ICSIの有 用性について報告した(2015年日本卵子学会,2018年日本IVF 学会). 今回,2019年1月より40歳以上患者において Piezo-ICSIを実施するよう治療方針を変更した結果, 培養成績の向上に寄与したかどうか前年と比較したのでここに報告する.

【方法】
2018年1月~ 3月にc-ICSIを実施した218周期(528個)をc-ICSI 群とし,2019年1月~ 3月に Piezo-ICSI を実 施した 288周 期(773個 )を Piezo 群 とし, 後方視的に検 討を行 った. ま た, 本検 討には Eppendorf 社製のPiezoドライブ(PiezoXpert)を用いた.検討項目は受精率,2PN 率, 変性率, 良好分割率(4cellG2以上),D5胚盤胞発 生率,D5良好胚盤胞率(G3BB 以上),D5・D6胚盤胞発生率とし,そ れぞれ比較検討を行った.

【結果】
c-ICSI 群の平均年齢は42.7±2.1歳,Piezo 群 の平均年齢は42.9±2.1歳であり,両群において患者背景に有意差は認められなかった.培 養成績は順に受精率(82.0% vs 85.1% p=0.134),2PN 率(72.0% vs 77.6% p=0.020),変性率(5.3% vs 6.1% p=0.56),良好分割率(54.4% vs 53.2% p=0.72),D5胚盤胞発生率(25.2% vs 36.6(p=0.0011),D5 良好胚盤胞率(33.8% vs 32.3% p=0.82),D5・D6胚盤胞発生率(39.2% vs 45.8% p=0.078)であり,2PN 率,D5胚盤胞発生率において Piezo 群が有意に高い値となった.

【考察】
本検討結果より,40歳以上患者におけるPiezo-ICSIの有用性が確認出来たことから,Piezo-ICSIは加齢に伴う脆弱な卵子において, より少ないダメージで ICSIが可能となり培養成績の向上に寄与出来ることが示唆された.今後は Piezo-ICSIが妊娠率の向上に寄与出来ているかどうかの検討も行っていきたい.

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