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Direct Cleavage由来胚でも形態良好胚盤胞であれば妊娠率 は低下しない

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 坂井 和貴,伊木 朱有美,野手 健造,久保 敏子,笹峯 梢,長谷川 麻理,佐々木 容子,須賀 真美, 鵜久森 夏世,兵頭 慎治,鍋田 基生

Abstract

【目的】
タイムラプス装置の普及により, 従来の形態学的評価に加え, 胚の分割様式や発生速度などの動的観察が可能となった.一連の動的観察 を行うことによって,1個の割球が 3個以上に分割するような Direct Cleavage(DC)胚がある程度の割合で見られることが明らかとなってき た.DC 胚はその後の胚発生が不良ともいわれるが, 形態良好胚盤胞 になることもあり不明な点も多い.今回は DC 胚由来の形態良好胚盤 胞の妊娠率について正常分割(Normal Cleavage: NC)胚由来の形態 良好胚盤胞と比較検討した.

【方法】
患者同意のもと,2018年9月から2019年1月までに当院で形態良好胚 盤胞を単一凍結胚移植した103周期を対象とした.移植はホルモン補充周期または自然周期で行い, 胚が胚盤胞に至った日数にかかわらず 黄体ホルモン投与開始日から5日後に行なった.また, 融解した胚盤 胞は Laser Assisted Hatchingを併用し, 透明帯を約40%開孔して移 植した.形態良好胚盤胞は 3BB 以上と定義した.

【結果】
移植した形態良好胚盤胞103個のうち23個(22.3%)がDC 胚であった. 臨床妊娠率は DC 群39.1%(9/23),NC 群55.0%(44/80)であり両群間 に有意差はなかった.Day4胚盤 胞では DC 群30.0%(3/10),NC 群 58.5%(24/41)であり両群間に有意差はなかった.Day5胚盤胞では DC 群46.2%(6/13),NC 群51.3%(20/39)であり両群間に有意差はな かった.

【考察】
DC 胚であっても形態良好胚盤胞であれば NC 胚の胚盤胞と同程度 の妊娠率が期待できることが分かった.発育速度を考慮した妊娠率も Day4胚盤胞,Day5胚盤胞どちらを移植した場合もDC 胚由来とNC 胚由来で同程度の妊娠率であった.DC 胚は胚盤胞到達率が低下する ともいわれているが,それが何故なのか不明な点も多い.DC 胚由来で あっても胚盤胞であれば着床前診断による正常胚の割合は NC 胚と同 程度であるという報告もあり(Zhan Q et al.,2016),本結果はそれに矛 盾しないものであった.今回の検討では,DC 胚由来胚であっても,形 態良好胚盤胞であれば妊娠率は低下しないことが分かった.今後はそ の後の妊娠経過を追跡する予定である.

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