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O-24 顆粒膜細胞で発現上昇するSREBPは,排卵期のプロゲステロン産生に必須である

年次大会 一般演題

2020年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 中西 寛弥1) ,田中 里沙2) ,島田 昌之3) ,山下 泰尚1, 2)

Abstract

【目的】

後期胞状卵胞の顆粒膜細胞にLH が作用するとEGF-like factorの発現を介してプロゲステロン(P4)を産生し, 排卵が誘導される.P4は, 肝臓で新規合成されるコレステロール(Cho)を基質とすると考えられてきたが,hCG 刺激後の卵巣のトランスクリプトーム解析結果から, 肝 臓のCho 合成経路に必須の転写因子(Srebp)の発現を見出した.本研究では,hCG刺激前後の顆粒膜細胞におけるSREBPとその制御因子 (SCAP)の発現とそれらの役割を検討した.

【方法】

実験1. 3週齢の C57BL/6雌マウスに PMSG 投与48時間(h)後に hCGを投与し顆粒膜細胞(GC)を回収した.GCのSrebp-1, Srebp-2, Scap および Cho 合成酵素(Hmgcr, Cyp51, Dhcr7)の経時的発現を調べた.またSREBP-1,SREBP-2,SCAPタンパク質の発現と局在を調べた.実験2. PMSG 投与 42h後にSREBP-SCAP複合体形成阻害剤(Fatostatin; Fato)を投与し,6h後にhCGを投与した.hCG 投与 2h後と12h後の卵巣を回収し,GCのCho合成酵素発現(2h),Cho量 (2h),P4量(12h)を調べた.実験3. PMSG 投与48h後のGCを回収し, Scap siRNAを導入後,EGF-like factor (AREG) 添加培地で 12h, 16h 培養した.GCの Cho合成酵素群の mRNA発現(12h)とCho局 在の蛍光像(12h),P4量(16h)を検出した.実験4. 実験2と同様に Fato 処理した6h 後に hCGあるいは hCGとP4を投与し,16h 後の卵 管の排卵数と48h後の黄体数とその形態を調べた.

【結果】

実験1. Srebp-1,Srebp-2,Scap mRNA発現,SREBP-1,SREBP-2 発現は PMSG 投与48h 後からhCG 投与後に高い発現量を示し,GC に局在していた.Cho 合成酵素発現は hCG 投与後に有意に増加した. 実験2. Fato 処理によりCho 合成酵素発現,Cho量,P4量は有意に低 下した.実験3. Scap siRNA 処理によりCho合成酵素発現,Cho量, P4量は有意に減少した.実験4. Fato 処理により排卵数, 黄体数は減 少し,排卵不全を呈したが,この低下は P4投与により回復した.

【考察】

Fato 処理とScap siRNA 処理によりCho 酵 素群の mRNA 発現, Cho量,P4量が低下したことから,SREBPとSCAPは, 排卵刺激後 の速やかなCho 合成とP4産生に重要であることが明らかになった.さらにFato 処理は排卵不全を呈したことから,SREBPとSCAPにより 誘導されるCho 合成経路は排卵に必須であり, この経路の破綻は排卵不全の要因となると考えられた.

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