Papers and Abstracts

論文・講演抄録

―総説― 着床不全とネオ・セルフ抗体

学会誌 掲載論文

2023年度 学会誌 掲載論文日本IVF学会雑誌 Vol.26 No.2 40-46

著者:小野洋輔1)・和田真一郎2)・吉野修1)・山田秀人3)

1)山梨大学医学部産婦人科,2)手稲渓仁会病院 産婦人科,3)手稲渓仁会病院 不育症・ゲノム医療センター

Abstract

HLA classⅡ 分子による新たな自己免疫疾患発症機構により生じる、新規自己抗体であるネオ・セルフ抗体は、近年、多くの自己免疫疾患への関与が報告されている。ネオ・セルフ抗体の1つである抗β2GPI/HLA-DR抗体は、不育症のリスク因子として報告されたが、不妊症患者への関与についての検討はなされていなかった。最近、我々は、不妊症患者を対象に抗β2GPI/HLA-DR抗体を調べ、抗体の有無で患者背景や不妊症リスク因子を比較検討し、報告した(1)。その結果、不妊症患者の中に抗β2GPI/HLA-DR抗体陽性者が一定数存在すること、抗体陽性群に子宮内膜症の合併が多いこと、またART患者における抗体陽性群では、反復着床不全の既往が多いことが明らかとなった。我々の検討から、ネオ・セルフ抗体が、子宮内膜症合併不妊症や着床不全に関与する可能性が示唆された。

キーワード:抗β2GPⅠ/HLA-DR抗体、子宮内膜症、着床不全、ネオ・セルフ抗体

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