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第27回 日本IVF学会・学術集会 /共催:日本臨床エンブリオロジスト学会

第27回 日本IVF学会・学術集会 /共催:日本臨床エンブリオロジスト学会
  • 2024年10月5日(土) ~ 2024年10月6日(日)
  • 10月5日(土)11:40 ~ 10月6日(日)16:30
  • 京王プラザホテル(〒160-8330 東京都新宿区西新宿2-2-1)
  • 高見澤 聡 (杉山産婦人科 新宿 副院長)

ご挨拶

今回の学術集会のテーマは、「不妊診療の開物成務 〜困難症例への挑戦〜」です。

「開物成務」(かいぶつせいむ)の由来は、中国の古代思想であり儒教の経典ともされる五経(易、書、詩、礼、春秋)の一つ、「易経」の教えにあります。儒教の始祖である孔子は「易経」の解説書となる十編の書物「十翼(彖伝上下、象伝上下、繋辞伝上下、文言伝、説掛伝、序掛伝、雑掛伝)」を編集し、この中の繋辞上伝の第十一章にポスターの漢文一節があります。

「子曰。夫易。何爲者也。夫易。開物成務。冒天下之道。如斯而已者也。是故聖人以通天下之志。以定天下之業。以斷天下之疑。」 「孔子はおっしゃった。そもそも易経は何のために創られ、また、どのような効用があるのであろうか。そもそも易経は、天下のあらゆる物事を開通させ、萬物が各々天から授かった使命としての務め(天命)を成し遂げさせ、天地宇宙の変化の道理を明らかにするものである。」 「開物成務」は「易経」の本質を表した言葉です。

この言葉は、その後の中国の古典文学や哲学でも用いられ、「物事を開拓し、成し遂げるために努力する」という意味で現代にも通用しています。新しい分野や領域に積極的に取り組んで、新しい事業や成果を築くことを指しています。また、物事を切り拓いて進んでいく姿勢や、新しいことに挑戦して成果を上げる精神を表現し、実現するために努力することの重要性を強調しています。

不妊診療の保険化から2年が過ぎました。経済的なハードルが下がった結果、若年カップルの受診が増えるなどその恩恵を享受する人達がいる一方で、保険適応ではない検査・治療を必要とする方々が存在します。特に反復不成功・着床不全、卵巣機能不全などの困難症例に対しては、従来から様々なアプローチが試みられていますが、それらは未だ保険および前段階の先進医療の適応にも至らずその見通しもたっていないのが現状です。しかしそれでも我々は「開物成務」の精神で、これら困難症例に対しては今後も向き合い、新しい対応を考え、挑戦を続けなければなりません。

本会はこれら困難症例に対する「開物成務」の対応として、PRP(多血小板血漿)子宮内投与および卵巣投与のシンポジウムを中心に、その他に慢性子宮内膜炎に関する新しい知見、タクロリムス先進医療Bの経過/結果、エクソソーム卵巣投与、POIの現状、培養に関わる話題、世界のART情勢などをテーマとした教育講演、特別講演、ランチョンセミナーを予定しています。また海外からは、英国Warwick大学のJ. Brosens教授をお招きして「着床」に関する講演を予定しています。

今回の学会は従来通り、日本臨床エンブリオロジスト学会との共催であり、エンブリオロジスト学会のセッションを用意したほか、口演での一般演題発表も予定します。

コロナも一段落し、お楽しみの懇親会(意見交換会)も用意しています。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

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