選択的単一胚盤胞移植においてどの評価因子を優先して 胚選択するべきか?
2020年度 学会誌 掲載論文|Vol23-1
著者:大浦 朝美1・冨田 和尚2・佐藤 学1・中岡 義晴1・森本 義晴2
1 IVF なんばクリニック 〒 550-0015 大阪府大阪市西区南堀江 1-17-28
2 HORAC グランフロント大阪クリニック 〒 530-0011 大阪府大阪市北区大深町 3-1 グランフロント大阪タワー B15F
Abstract
胚盤胞移植は分割期胚移植と比べ臨床成績が高く,良好胚選別の方法として普及した。一方で選択的単一胚盤胞移植の場合にどの評価因子を優先して選択すべきかが課題であった.そこで2009年 1月から2012年12月の凍結融解単一胚盤胞移植を行なった1750症例を対象にロジスティック回帰分析を用いて生産に影響を及ぼす評価因子を解析した.影響する因子はオッズ比順に培養日数,TE,拡張ステージであることを明らかにし,形態よりも胚盤胞形成の早さを優先することが重要と考えられた. この結果を踏まえ胚選択の基準を変更した2015年1月から2017年2月の臨床成績を変更前のデータ と比較した結果,臨床的妊娠率,流産率に有意差はみられなかった.評価因子をさらに増やして再検討することで,より精度の高い胚盤胞選択を行う検討をしていく必要がある.