Papers and Abstracts

論文・講演抄録

当院の培養士相談について

学術集会 一般演題(ポスターセッション)

2016年度 学術集会 一般演題(ポスターセッション)

発表者:石川 聖華・中山 順樹・向江 真璃・白築 章吾・永島 美樹・佐久間 友香・中村 好佑・加賀 朝子・毛利 汐菜・荒井 勇輝・原 利夫

はらメディカルクリニック

Abstract

【目的】

培養士は患者の配偶子を取り扱い,胚に最も近い立場でありながら,その情報を直接患者に伝える機会は数少ない.当院では患者からの「胚培養士から直接説明を受けたい」という希望に応えるべく,培養士や看護師が患者からの質問を受け付ける「IVF 振り返り相談」という相談枠
を設けている.この「IVF 振り返り相談」の相談内容,アンケートをまとめることにより,患者がどのような説明を求めているかを調査するとともに,相談枠の問題点,必要性を考察した.

【方法】

2016年1月~ 2016年6月の期間に当院にて「IVF 振り返り相談」を受診した患者88名を対象とし,①相談内容,②患者アンケートの2点を集計し考察を行った.
アンケートの設問は【1】スタッフの回答は満足できる内容でしたか?【2】説明の能力はいかがでしたか? 【3】態度,話の速さや声の大きさはいかがでしたか?【 4】再度,IVFふり返り相談を受けてみたいと思いますか? 【5】ご意見やご感想などございましたら教えてください.の計5問であり,【1】~【4】の設問は「はい」または「いいえ」の二択での回答とした.

【結果】

検討① 患者の質問で最も多かった内容は,胚,培養についての解説であり,次いで採卵誘発について という結果であった.検討② 【1】~【4】の設問全てにおいて,95% 以上が「はい」の回答であり,高評価の結果となった.アンケートの具体的な意見として多かった内容は「分かり易く説明・アドバイスをもらえた,勉強になった」「不安が消え前向きになれた,スッキリした」「話しやすい,楽しい」と満足度の高い回答が殆どであった.少数ではあったものの改善が必要とされる内容として,「もう少し時間が欲しかった」「予約が取りづらい」といっ
た意見があった.

【考察】

患者にとって,実際に配偶子や胚を扱う培養士から培養の説明を受けることには意味があり,医師や看護師等から受けるものとはまた異なるようである.
また,培養士からの説明を希望する患者とは別に,医師に聞きづらい内容を確認するために相談枠を利用する患者がいることや,普段の生活では打ち明けられない悩みを話すことができる貴重な機会にもなっていることからも,説明,相談の機会を設けることの必要性をあら
ためて考えさせられる結果となった.
さらに,培養,誘発方法,移植について,生活の仕方など,質問の内容は幅広く,培養士,看護師の枠を超えた内容も多い為,患者に対応した検討を充分に行うことや,患者と話すことにより得た情報を治療で生かすため,スタッフ間の連携の重要性も感じた.
今後も,患者が求める情報の提供に着目し,改善に努めていきたい.

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