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不妊治療を受けた妊婦の「妊娠 リスクスコア」による周産期予後

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 藤井 美喜,江夏 徳寿,苔口 昭次,塩谷 雅英

Abstract

【目的】
出産施設を併設していない当クリニックは, 妊娠7 ~ 10週頃に産科 のある出産施設に妊婦を紹介している.リスクがある場合には緊急時 に対応できる出産施設を選択することが必要であるが, どのようなリス クが周産期予後に影響を及ぼすか明確でない.そこで, 出産された方 がどのような周産期予後になったのか調査し, 妊娠リスクスコアと比較 検討し,出産施設選択の参考とする.

【方法】
2014年2月~ 2015年3月に当クリニックで実施している妊娠初期セミ ナーを受講し, 出産施設を決めている妊婦を対象にアンケートを実施 した.2004年に厚生労働省研究班が作成した「初期妊娠リスク自己評 価」を含めたアンケート用紙を配布回収し, リスク評価した.妊娠リス クスコアは18項目について妊婦自身が項目をチェック, 点数化する.そ の評価は, 高リスク群4点以上, 中リスク群2 ~ 3点, 低リスク群0 ~ 1 点である.その後追跡調査として, 患者からの出産後報告や出産施設の返書より,周産期予後と妊娠リスク評価を比較検討した.

【結果】
妊娠初期アンケート回収は 392例に対し,出産報告は 244例(62.2%) であった.妊娠リスクスコアは高リスク群80.7%,中リスク群14.4%,低 リスク群4.9%であった.出産時年齢は平均36.8歳, 出産週数は平均38.9週, 出生児体重は平均3,051gであった.分娩様式は経腟分娩
59.0%, 帝王切開40.6%,IUFD0.4%であった.出産施設別に高リス ク群の割合をみると,病院(NICUあり)では84.8%(56/66),病院(NICU なし)79.8%(79/99),産科クリニック78.5%(62/79)と高次機能病院で 高リスク群が高かった.帝王切開の割合は高リスク群44.2%(87/197) が最も多く,中リスク群25.7%(9/35),低リスク群25.0%(3/12)であった.

妊娠リスクスコア項目のうち周産期予後(帝王切開, 早産, 低出生体 重児)に関連する独立した因子を求めるために多重解析を行った結果, 高齢妊娠, 体外受精, 前回出産時合併症が帝王切開のリスクを上昇さ せる独立した因子と考えられた.オッズ比,95%信頼 CIはそれぞれ, 高齢妊娠(1.12,1.04-1.20), 体外受精(1.71,1.10-2.66), 前回出産 時合併症(1.74,1.09-2.79)であった.早産,低出生体重児については 独立した予測因子はみられなかった.

【考察】
高リスク群に属するほど帝王切開が多くみられたこと,高齢妊娠,体 外受精,前回出産時合併症は帝王切開のリスクを上げることから,妊娠 リスクスコアは出産施設を考慮する際の一つの指標となると考えられた.

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