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凍結胚移植時の各種黄体ホルモン 製剤による血中プロゲステロン値 と妊娠成績の検討

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 品川 真澄,片桐 未希子,吉田 仁秋

Abstract

【目的】
ホルモン補充周期下の凍結融解胚移植時の経腟黄体ホルモン製剤 には,剤形や投与回数の異なる製剤が複数ある.当院では以前の院内 製剤のプロゲステロン腟坐剤のほか,ルテウム,ルティナス,ウトロゲ スタンを使用している.患者のライフスタイルや希望に合わせ薬剤を選 択しているが,これらの製剤間での妊娠率や血中プロゲステロン値を比 較した報告を認めていない.そこで当院での各種使用成績を比較検討 した.

【方法】
2017年1月から2019年4月,当院にてホルモン補充周期下に凍結融解 胚移植を行った周期のうち, 単一良好胚盤胞移植(Gardner 分類3BB 以上),患者年齢40歳未満,内膜厚8mm 以上の827周期に限定して比 較検討を行った.プロゲステロン腟坐剤(800mg/日)群550周期, ルテ ウム(800mg/日)群125周期,ルティナス(300mg/日)群55周期,ウトロ ゲスタン(600mg/日)群97周期であった.検討項目は妊娠率,流産率,妊娠継続率(10週以上まで妊娠継続したもの)と, 胚移植1週間後と2 週間後の血中プロゲステロン値とした.また, 全群における妊娠者と非 妊娠者の血中プロゲステロン値についても検討した.

【結果】
4群の妊娠率, 流産率, 妊娠継続率は, プロゲステロン腟坐剤群で55.1 %,24.1 %,79.2 %,ルテウム群で46.4 %,17.2 %,82.8 %,ルティ ナス群で41.8 %,17.4 %,87.0 %,ウトロゲスタン群で49.5 %,31.3 %,75.0 %で, 各群間に有意差は認めなかった.また, 胚移植1週間後と 2週間後の血中プロゲステロン値は,プロゲステロン腟坐剤群で16.8 ng/ mL,16.1 ng/mL, ルテウム群で18.4 ng/mL,16.5 ng/mL, ルティナ ス群で 13.4 ng/mL,12.3 ng/mL, ウトロゲスタン 群で 11.8 ng/mL,10.9 ng/mLであった.各群内での1週間後と2週間後の値に有意差は認 めなかったが, プロゲステロン腟坐剤とルテウムがルティナスとウトロ ゲスタンに比べ有意に高値であった.妊娠者と非妊娠者の血中プロゲス テロン値は, それぞれ1週間後が17.1 ng/mL,15.2 ng/mL,2週間後 が16.1 ng/mL,14.5 ng/mLであり, 妊娠者のほうが両者共に有意に 高値であった.

【結語】
本検討では, プロゲステロン腟坐剤群とルテウム群, また妊娠者で 有意に血中プロゲステロン値が高値であったが, 製剤間で妊娠成績に 有意な差を認めなかった.ホルモン補充周期下に凍結融解胚移植を行 う際,経腟黄体ホルモン製剤の選択は,妊娠成績に影響を及ぼさない ことが判明した.

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