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当院における分割胚の融解時期に よる臨床妊娠率への影響

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 小林 正知,関和 瞳,髭 友希,山下 千波,石嵜 健奨, 森中 美友,川本 真,佐々木 真紀,小柳 良子,園田 桃代

Abstract

【目的】
近年ARTにおいて分割胚よりも胚盤胞移植の方が妊娠率が高いことから,凍結融解胚盤胞移植が増加している.しかし,胚盤胞に発生しなかった場合や, 施設の凍結基準に満たず凍結キャンセルとなり胚 移植に至らない場合もあるため, 分割胚移植の方が有用であることも 多い.以前我々は凍結融解胚移植における融解から胚移植までの時間 の違いによる妊娠率への影響について報告したが,分割胚の割球数別 での検討はしていなかった.今回我々は分割胚について割球数別に融 解時期による臨床妊娠率への影響について検討した.

【方法】
検討1 2013年1月以降に当院にて凍結保存した Day3分割胚 Veeck 分類5分割 G3以上の胚を用いて,2015年9月から2017年7月までに胚融解を移植前日あるいは当日に無作為に分けて単一融解分割胚移植を行 なった548周期について割球数別の臨床妊娠率(胎嚢確認)を検討した.

検討2 2017年7月から2019年5月までに前日融解した 5分割胚および 6分割胚と当日融解した7分割以上胚に分けて単一融解分割胚移植を行 なった649周期について前日融解と当日融解の臨床妊娠率を比較した.

【結果】
検討1において前日融解と当日融解の妊娠率はそれぞれ 30.2% (71/235),29.7%(93/313)と有意差はなかった.5分割胚,6分割胚,7 分 割 以 上 胚の前日融解の妊 娠 率はそれ ぞれ 16.7%(2/12),22.2% (6/27),32.1%(63/196),当日融解の妊娠率はそれぞれ13.0%(3/23), 18.4%(7/38),32.9%(83/252)と融解時期に関わらず 7分割以上胚で高 い傾向を示した.また 5分割,6分割胚はともに当日融解よりも前日融 解の方が妊娠率が高い傾向を示した.検討2において前日融解した 5 分割,6分割胚と当日融解した7分割以上胚の妊娠率はそれぞれ10.0% (2/20),10.2%(6/59),27.0%(154/570)と当日融解の方が有意に高くなった(P<0.01).前日融解した胚について,移植当日までに割球数が 増加した群と前日と同じ割球数のままであった群の妊娠率は 5分割,6 分割ともに移植当日までに割球数が増加した群の方が高い傾向を示し た.

【考察】
5分割,6分割胚の融解日を移植前日にすることによる妊娠率への影 響はなかった.5分割,6分割胚の妊娠率は低調であったものの, 妊娠に至った胚に関しては移植当日までに割球数が増加している傾向がみ られた.そこで当院ではすでに 5分割胚に関しては Day3での凍結を見 送り良好胚盤胞に発生したら移植の対象としているが,今後は6分割胚 についても同様に検討していきたい.

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