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採卵決定日にLHサージ開始した採卵周期におけるレルゴリクスの排卵抑制効果の検討

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 中尾 佳月,黒田 恵司,月花 瑶子,板倉 彰子,森山 梓, 壽圓 裕康,堀川 隆,小代 裕子,高見澤 聡,中川 浩次, 杉山 力一

Abstract

【目的】
クロミフェン等を用いた卵巣低刺激法など, 排卵抑制を併用しない 卵巣刺激では,採卵前にLHサージ・排卵が起こり採卵キャンセルとな ることがある.そのため, 排卵抑制を目的として, 上昇した LHを抑制するGnRHアンタゴニスト製剤や, プロスタグランジン産生を阻害する NSAIDsを投与することがある.2019年3月発売の経口GnRHアンタゴニスト製剤(レルゴリクス)は,従来のGnRHアンタゴニスト注射薬よ り安価で投与が容易である.その利便性から, 今後使用増加が予想さ れるレルゴリクスの排卵抑制効果を検証した.

【方法】
2018年12月から2019年5月, 卵巣低刺激法による採卵周期において,採卵2日前のLH値が10mIU/mL 以上に上昇した183周期のうち, 基礎 LH値が高値の卵巣予備能低下症例と多嚢胞性卵巣症候群の20周期を除外した163周期を対象とした.採卵2日前にレルゴリクスを投与した 27周期(R 群),2日前にGnRHアンタゴニスト注射薬を投与した10周期 (G 群),1日前にNSAIDs(メロキシカム)を内服した102周期(M 群), 2日前にレルゴリクスと1日前にメロキシカムを内服した24周期(R+M 群) の4群を後方視的に比較検討した.

【結果】
R 群,G 群,M 群,R+M 群 の 年 齢 は,36.9±4.3,36.2±4.5,39.3±5.0,38.6±5.0歳,採卵2日前のLH値は,18.1±6.0,15.2±2.5,18.5±7.1,20.4±6.6mIU/mLであり,4群間において有意差はなかった. 一方, 採卵時の既排卵率は,40.7%(11/27周期),0%(0/10周期),14.7%(15/102周期),20.8%(5/24周期)であり,R 群は G 群,M 群 と比較して有意に高かった(p=0.016,0.0027).

【考察】
採卵決定日にLHサージを認めた場合,レルゴリクスによる排卵抑制 効果はあまり期待できない.経口剤による吸収および血中濃度上昇の 遅延が考えられる.LHサージを抑制する目的で GnRHアンタゴニスト 製剤を投与する場合は, 速やかな効果が期待できる注射製剤が適して いる.

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