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発光ダイオード(LED)光源がICSI成績に及ぼす影響について

年次大会 一般演題

2019年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 山上 一樹,古橋 孝祐,岩﨑 利郎,伊藤 宏一,水澤 友利, 松本 由紀子,苔口 昭次,塩谷 雅英

Abstract

【目的】
卵子に対する光暴露はアポトーシス頻度を増加させるため, 体外で の胚操作時には光暴露の影響を最小限に留めることが望ましい.近年, 発光ダイオード(LED)の普及により,顕微鏡の光源にもLEDを選択す ることが可能になっている.LEDは消費電力が少なく長寿命であると いった特徴から様々な分野で使用されているが, ヒト卵子をLED 光源 に曝露した場合の影響についての報告はほとんどない.そこで本検討 では,LED 灯あるいはハロゲン灯を接続した同型の倒立顕微鏡を用い て, 光源の違いが顕微授精(ICSI)成績に与える影響について前方視 的に比較検討を行った.

【方法】
2018年5月~ 12月に顕微授精を実施した547 周期(1 し, 患者毎に無作為にハロゲン灯の倒立顕微鏡(ハロゲン群), 又は LED 灯の倒立顕微鏡(LED 群)に振り分けてICSIを施行した.どちらの群も倒立顕微鏡はOLYMPUS 社;IX73,インジェクションシステムTAKANOME(NARISHIGE)を使用し, 光源以外は同一の機材を 用い, 受精率, 変性率, 分割率, 良好分割率(4cellG2≤), 継続培養 胚当たりのD5,D6胚盤胞発生率,D5良好胚盤胞率(G3BB≤)を比較 検討した.

【結果】
ハロゲン群:242周期(778個)の平均年齢は39.2±4.6歳,LED群:305 周期(859個)の平均年齢は 40.0±4.6歳であった.培養成績は順に受 精 率(83.0% vs 87.0% p=0.026), 変 性 率(6.4% vs 5.7% p=0.540), 分 割 率(91.5% vs 95.2% p=0.005), 良 好 分 割 率(53.0% vs 50.4% p=0.348),D5,D6胚盤胞発生率(47.0% vs 50.9% p=0.227)D5良好 胚盤胞率(45.8% vs 40.1% p=0.260)であり,受精率,分割率において LED 群が有意に高い値となった.

【考察】

今回の検討により, 顕微授精におけるLEDの使用は受精および初 期発生に影響を与えることが示唆され, 顕微授精の成績向上の一助と なる可能性が考えられた.光源メーカーによると顕微鏡に使用される LEDはフィルタ制御によってハロゲン灯に近い分光特性を持つとのこと であり, 本検討における成績の差は各光源の波長の違いによるもので はないと考えられる.また, 一般的にLEDは発熱が抑えられるとされ ているため, 今回の成績の改善と熱の関連について, 更なる検討が必 要であると考えている.

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