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0-21 PGT-Aの処分胚の検討

年次大会 一般演題

2020年度 年次大会-一般演題 | 学術集会 - 一般演題(口頭発表)

発表者 : 西山 幸江1) ,朝日 啓司1) ,清水 勇輔1) ,北村 智志1) , 青木 淳子1) ,倉橋 浩樹2) ,西山 幸男1)

Abstract

【背景】

PGT-Aは染色体の正二倍体胚と異数性胚を区別し, 正二倍体胚を移植することで,ARTの成功率向上が期待される技術である.PGT-Aの解析の多くは胚盤胞の栄養外胚葉細胞(TE)の一部を用いるが,体細胞モザイクが存在しうるため,TE生検の採取部位による結果の不一 致や,内細胞塊(ICM)の結果との不一致が起こりえる.このことはモザ イク胚を移植胚か処分胚とすべきかに大きく影響する現象である.

【目的】

本研究では次世代シーケンサーを用いて, 生検の採取部位による結 果の不一致や, 内細胞塊(ICM)の結果との不一致が起こりえるかにつ いて検討を行うことを目的とした.

【対象】

日本産婦人科学会より2019年12月26日に承認された「反復 ART不成功症例および反復流産症例および染色体構造異常例を対象とする継続 妊娠率向上を目的とした PGT-Aの有用性を検討する多施設共同研究」に参加同意された3例(40–43歳)の処分胚4つを対象とした.

【方法】

顕微授精にて得られた胚盤胞のTEを5から8細胞生検し,PGT-A 解析施設で染色体解析を行った.解析結果にて異数性胚又はモザイク胚の結果にて処分胚の同意を得た凍結胚を同様にTEの再生検したものと残った胚全体にわけ, 再度染色体解析を行い, 初回生検と再生検 と胚全体との結果を比較した.

【結果】

症例1の初回生検は16モノソミーの50%モザイク,再生検では16モノ ソミーの20%モザイク,胚全体は正二倍体.症例2の初回生検は15トリソミーに加えて11モノソミーの40%モザイク,再生検では15トリソミー, 胚全体は15トリソミー.症例3の初回生検は19モノソミーの50%モザイ ク, 再生検は初回生検同様の50%モザイク, 胚全体では19 モノソミー の60%モザイク.症例4の初回生検は 21テトラソミー,再生検は 21テト ラソミーに加えて18モノソミーの80%モザイク, 胚全体では 21テトラソ ミーがあり,初回生検との結果が一致しないものが多かった.

【結語】

配偶子形成過程でできた異数性は生検部位の違いによる影響を受けないが, 受精後の体細胞分裂で生じた染色体分配の異常であるモザイクは生検部位によって影響を受け,ICMの結果を反映しない可能性が 示唆された.モザイク胚の移植に関しては十分な遺伝カウンセリングを 行うことが重要であると思われた.

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