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生まれた子供の気持ち(対談)

松本まろん

2021年度 年次大会-講演抄録 | 生殖医療の原点を考える

学会講師 : 松本まろん

Abstract

私は小さい頃から「まろんは珍しい未熟卵体外受精で生まれたんやで」と教えられて,帝王切開で生まれたことも知っていました.生まれ方が違ったからと言って何か変わるわけではありませんが良かったと思っていることもあります.
それは不妊治療や体外受精,帝王切開といった“普通”でない出産の仕方に偏見がないことです.不妊治療でできたということを周りに隠したいと言う人もいるし,子供にすら伝えない人もいると聞きました.実際に私の両親が不妊治療をしていた時も,祖父母から障害を持って生まれるんじゃないかと心配されていたようです.
私が生まれた19 年前に比べて少しはましになっているのかもしれないけど,やはり今でも偏見はあると思います.
私は両親に話してもらったおかげで不妊治療に対する偏見も自分は普通じゃないという負い目もありません.むしろ,高い治療費を払って,長い時間,しんどい治療を乗り越えて私を産んでくれたことを知っているので,こんなにも私に会うために頑張ってくれたんだ,私を愛してくれているんだということをより感じられたと思います.もし私に何かしらの疾患や障害があったとしても両親は同じように愛してくれたと思うけど,私はとても元気だし何の障害もありません.生んでくれた両親にはとても感謝しています.
日本人の結婚の平均年齢は上がっていて,今は私が生まれた頃よりもっと高齢になって出産する人が増えていると聞きました.今後は昔よりもっと不妊治療が必要とされる時代になると思います.どんな治療があるのかや不妊治療をしなければいけない人が実は多くいることはもっと知られるべきだと思うし,それに従って不妊治療に対する偏見が少しづつでも無くなっていくことを願っています.

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