Papers and Abstracts

論文・講演抄録

O-1 当院における院内採精と自宅採精 の培養成績の検討

学術集会 一般演題(口頭発表)

2021年度 学術集会 一般演題(口頭発表)

発表者:岡本 琴未・小熊 惇平・佐藤 渚・小川 奈津・野尻 由香・野村 昌男・古井 憲司

クリニックママ

Abstract

【目的】
COVID-19流行以前,当院では採卵当日に院内採精を希望される
方は全体の約6割を占めていた.しかしCOVID-19感染予防として
2020年4月よりすべての方が自宅採精となった.自宅採精の場合,採
精から精子調整までが長時間になることで温度変化による精子への
影響が危惧される.そこで院内採精と自宅採精における培養成績に
ついて比較検討を行った.
【方法】
2019年1月〜2021年5月に採卵を施行した症例のうち,妻の年齢が
40歳未満の622症例を対象とした.凍結精子およびTESE 精子を使
用した症例は除外した.
検討①:院内採精(以下院内)と自宅採精(以下自宅)のC-I VFまた
はPIEZO-ICSIにおける培養成績について夫の年齢を35歳未満,35歳以上の2群に分けて検討した.
検討②:自宅採精のC-IVFにおいて採精から精子調整までの時間を60分間隔で区分(60分未満,60分以上120分未満,120分以上180分未満,180分以上)し,その培養成績について夫の年齢を35歳未満,35歳以上の2群に分けて検討した.

【結果】
検討①:C-IVF の正常受精率は35歳未満,35歳以上で院内:
75.2% vs自宅:64.0%,院内:69.0% vs自宅:78.0%であっ
た.胚盤胞発生率は院内:51.9% vs自宅:53.1%,院内:
59.2% vs自宅:60.3%であった.すべての群において有意
差は認められなかった.PIEZO-ICSIの正常受精率は35歳
未満,35歳以上で院内:85.8 % vs自宅:82.4 %,院内:
81.5% vs自宅:82.3%であった.胚盤胞発生率は院内:
53.9% vs自宅:49.9%,院内:50.5% vs自宅:54.5%であっ
た.すべての群において有意差は認められなかった.
検討②:C-IVFの自宅採精から精子調整までの時間,60分未満,
60分以上120分未満,120分以上180分未満,180分以上の
それぞれの正常受精率は35歳未満が83.3 %,71.4 %,
67.4 %,75.0 %,35歳以上が100.0 %,76.9 %,77.8 %,
100.0 %であった.胚盤胞発生率は35歳未満が60.0 %,
58.0%,37.9%,100.0%,35歳以上が100.0%,60.9%,
64.3%,83.5%であった.すべての群において有意差は認
められなかった.
【考察】
院内採精,自宅採精の違いによる培養成績への影響は見られな
かった.当院に通院されている方の大半が自動車を使用している.そ
のため車内は温度変化が少なく,培養成績への影響を抑えることが
できたと考えられる.また自宅採精から精子調整までの時間は培養
成績に影響しなかったことから,自宅採精のみでも問題なく運用でき
ると考える.この結果をもとに,今後コロナ禍が終息した後も当院は
自宅採精を続けたいと考えている.

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