Papers and Abstracts

論文・講演抄録

O-24 低乳酸培養液を用いたDay0ストラテジー

学術集会 一般演題(口頭発表)

2022年度 学術集会 一般演題(口頭発表)

発表者:小熊 惇平・早川 夢乃・鎌倉 沙樹・佐藤 渚・小川 奈津・野尻 由香・野村 昌男・古井 憲司

クリニックママ

Abstract

【目的】
卵子,初期胚はピルビン酸を主なエネルギー源として代謝をしている.よって,ピルビン酸の代謝効率を改善することが培養成績の向上につながると考えられている.低乳酸培養液下でマウスの正常受精卵を培養した際に,ピルビン酸の代謝効率の向上が報告されている.そこで精子調整,採卵後の前培養,胚培養に低乳酸培養液(CSC-NX, IrvineScientific)を用いた培養成績とそれで得られた胚盤胞を移植した移植成績より,Day0 から低乳酸培養液を使用する有用性を検討した.
【方法】
採卵後にPiezo-ICSI 施行し,ドライインキュベーター(iBIS,
ASTEC)で胚盤胞まで培養を行ったものを検討に用いた.
[検討1. 培養成績の比較]2022年2月から2022年6月に精子調整,前培養,胚培養にCSC-NXを用いた群(CSC 群)と2021年1月から2021年12月に精子調整,前培養にUniversal IVF(SAGE),胚培養に1-step(SAGE)を用いた群(1-step 群)で培養成績を比較検討した.[検討2. 移植成績の比較]上記期間,方法で培養を行い,得られた胚盤胞を用いてHRT周期にて単一凍結融解胚移植を施行した移植成績を比較検討した.融解後の回復培養にはCSC 群にはCSC-NXを1-step 群には1-stepを用いた.
【成績】
[検討1]CSC 群と1-step 群における採卵時39歳以下の2PN2PB率(87.0%vs83.1),3PN以上率(1.0%vs1.6%),良好胚盤胞発生率(42.5%vs 42.2%)に有意差は認められなかった.採卵時40歳以上の2PN2PB 率(85.4%vs74.3),3PN 以上率(1.6%vs5.5%),良好胚盤胞発生率(33.3%vs 32.1%)はCSC 群で2PN2PB 率が有意に高く,3PN以上率が有意に低かった(p<0.05).[検討2]CSC 群と1-step 群における39歳以下の臨床的妊娠率(61.4%vs 58.4%),40歳以下の臨床的妊娠率(26.7%vs 41.9%)に有意差は認められなかった.
【結論】
採卵時40歳以上のCSC 群が1-step 群に比べて正常受精率が有
意に高く,異常受精率が有意に低いことが認められた.また,両
群間の良好胚盤胞発生率に有意差は認められなかった.Day0 か
ら低乳酸培養液を用いた培養方法は採卵周期あたりの良好胚盤胞
発生数を増加する可能性が示唆された.今後,有効性については
症例数を増やして検討していく予定である.

loading